生理学研究所(NIPS)の渡辺秀典 研究員、西村幸男 准教授らの研究チームは、脳表面でとらえた硬膜下皮質表面電位(Electrocorticogram:ECoG)という電気活動から、脳の内部の神経活動をより正確に推定することに成功したことを発表した。同研究はATR脳情報研究所、東京大学との共同研究として行われ、成果は米国神経科学専門誌「Journal of Neural Engineering」電子版に掲載された。 これまで脳の神経活動を知るには、脳波計のように脳の表面の電気活動を測るか、fMRI(機能的核磁気共鳴法)のように脳の表面近くの血流を測ることしかできなかったため、脳内部の神経活動を知るには、脳の中に電極を刺していくなどの方法しかなく、脳に傷をつけてしまうこともあった。 今回、研究チームは、サルが腕を動かしているときの脳(運動野)の神経活動を、東京大学の鈴木隆文講師が開発した