過去最悪の失業率。雇用不安は日本の大きな社会問題となり、大企業の正社員ですらリストラされる。もはやキレイごとを言ってメシが食える時代ではないのだが、それなのに一流企業の正社員の座を平気で捨てて、社会貢献という生き方を選ぶ人が増えている。 これまでも、企業の論理や競争原理に疲れて“人に優しい”生き方へと確信的にキャリアダウンする人たちはいたが、最近はまったく逆。会社を辞めてアメリカの大学で学位を取得し、国連機関やNGOなどへの就職を目指したり、社会起業家になるという、キャリアアップ型の社会貢献シフトなのである。 筆者がこのようなトレンドを最初に知ったのは、2年ほど前のこと。日本の社会起業家研究の第一人者である町田洋次先生のブログに、こんなコメントが寄せられているのを見た時だった。 「現在MBA留学でアメリカに来ていますが、社会起業やフィランソロピーに関するビジネスパーソンの関心の高さに