民進党の先生方はよほど立憲主義という言葉がお好きのようだ。目新しい玩具を手にした赤ん坊のよう、といったら失礼かも知れないが、二年ほど前から、ことある毎にこの言葉が登場する。先般の新党名決定に当たっても、「立憲民主党」という、一昔前を思わせるかのごとき案が一時有力であったと報道された。 さて、そこでこの立憲主義という言葉だ。これをかざしさえすれば、相手は黙るといわんばかりの勘違いに、誰か一言水を掛けてはくれないかと思っていたところ、一カ月ほど前の読売紙上で、京大教授の大石眞氏がかかる立憲主義論をタイミングよくたしなめておられた(3月30日)。主題は集団的自衛権に関わる政府の憲法解釈変更を「立憲主義に反する」とした一連の主張への反論に関わるものであったが、かかる主張の矛盾点を論理立てて指摘しておられ、やはり大石氏のような学者がいわれると重みが全く違うと思わされた。ここは未読の読者のために、その