序文 長らく未調査であった遺跡から石彫、通称『ロセンズ・ストーン(Rossen’s Stone)』が発見された。彩色されており保存状態も良好だ。 何より、発見者を驚かせたのは、古き神々 クク・テトゥ(Kuku-Textu) が描かれていたことだ。 しかし、ククの名をあなたが聞いたことがなくても無理はない。 なぜなら、今やククを呼ぶものはいないからだ。 信仰の厚い者たちは、名を口にすることを畏れ、別名を与えた。 やがてある2文字『聖二文字』で別名を示すようになり、ついには別名の発音も失われてしまった。 そうして歴史の影に消えた神話が クク・テトゥ(Kuku-Textu) である。 しかし、本当にクク神話は完全に失われてしまったのであろうか? 答えは、 __否だ。 その姿は、各地の碑や伝承の中にその断片を見つけることができる。 ククは三十七の姿を持ち、地上に顕現する蛇神と伝えられる。 描かれた