社会と距離を置き、少しだけ働いて、なるべく出費を抑える生活を楽しむーー。ライターの大原扁理(おおはら・へんり)さんは、そんなミニマムなライフスタイルを「隠居」と呼び、10年近く実践してきました。 週に2日だけ働き、年収90万円で生きる。そんな隠居生活を6年間、東京で送ったのち、台湾に移住。今度は1カ月働いたら2カ月休むというスタイルの「年収60万円」生活に切り替え、3年半が過ぎました。 そんな日々をまとめた本が『いま、台湾で隠居してます』(K&Bパブリッシャーズ)として、12月に出版されました。現在は「コロナ禍」で一時帰国している大原さんに話を聞きました。 いずれ台湾での隠居生活を再開させたいという大原さん。台湾の人たちには、外国人や性的少数者、障害者といったマイノリティ(少数派)を「いつかは自分も当事者」と受け入れる寛容さがあると見ています。 「台湾には人間関係のグラデーションがあった」