東京大学の駒場キャンパス(東京都目黒区)にあった「駒場寮」。私は、2001年に取り壊されたその寮を撮った写真集を再制作するにあたり、写真の使用許可を得るため、過去に取材した元寮生を探している。今回は、当時部屋の写真を撮らせてくれた元寮生のひとりで、現在は朝日新聞の記者である宮崎亮(みやざき・りょう)さんを訪ねた。 いまは社会部記者だが「社会問題に対して、意識が高くはなかった」 ――いまはどんな仕事をしているんですか。 宮崎:朝日新聞社の記者です。 現在は東京社会部の所属で、文部科学省の担当がメインの仕事なのですが、子どもや若い人の現場取材がいまも好きで、続けています。12年間を過ごした関西でも、学校とか若い人がいる場所に入り浸っていました。 大阪の堺市にある、作文教育に力を入れている安井小っていう公立小学校を1年間取材して、新聞の連載と本にしました。(『こころの作文~綴り、読み合い、育ち合