皆さんもご存知のようにS&Pの日本国債格付けが下がったことで、日本の公的債務残高に対して再び注目が集まっている。気になるのは「1000兆円の借金など返せるわけが無い、日本は既に実質破綻している」という扇情的な言説がよくみられることだ。国家が破綻する過程は複雑で、破綻するかどうかというのはそれほど単純な話ではない。 よく言われることだが、日本の累積公的債務は先進国中でも最悪レベルだ。 出所:OECD 2011 February (日本の2009のデータは財務省HPより) 国の経済規模の2倍近くまで公的債務がつみあがったら悲観的になるのも当然である。しかし、例えば現在深刻な財政危機に苦しむアイルランドは公債残高がGDP比で46%しかないのだ。その他にも最近実際に破綻(デフォルト)した国家の当時の公債残高をみてみよう。 アルゼンチン(2001年):53.7% ロシア(1998年):68.1% 詳