2008年に日本統計学会75周年記念出版として刊行されました国友直人・山本拓監修『21世紀の統計科学』(全3巻)の増補版を, 日本統計学会のホームページを通じて提供することとなりました.本書の増補版の オンライン公開が統計科学の今後の発展に資することを期待しております. 第I巻 社会・経済の統計科学 (国友直人・山本拓編) 第II巻 自然・生物・健康の統計科学 (小西貞則・国友直人編) 第III巻 数理・計算の統計科学 (北川源四郎・竹村彰通編)
OLSより進んだ統計手法で最初に覚えるのは最尤法だと思います。大半の人はツールとして知っていて、あまり中身を意識していない気がするのですが、「尤度」の説明無しで『尤度が最大になるパラメーターを求める方法』と言う説明が横行しているのは、問題があるかも知れません。 最尤法は、ある分布から観測値が取り出されたとして、“そうなる確率”が最も高くなるように分布の具体的な形状を決めるやり方です。“そうなる確率”を尤度と言います。こう書くと易しい事なのか難しい事なのか判別もつかないと思うので、実際に最尤法を解いてみましょう。 まず、何も考えずにトライ&エラーで最尤法を試みるやり方を説明した後に、教科書的な最尤法の解法を説明します。 1. 何も考えずにトライ&エラーで最尤法を試みる ある正規分布から値を3つ取り出したら、11 13 23だったとしましょう。このサンプルが“もっともらしい”正規分布の平均と分
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