宇宙に夜明けは存在しない。なぜなら地平線が存在しないからだ。 宇宙空間では、太陽は暗闇の中にポツンと存在する少し大きな光に過ぎない。真夜中の道路脇にある自販機の明かりを夜明けと思う人はいないだろう。 宇宙に夜明けが来ないなら、そこに浮かんでいる宇宙ステーションにも夜明けは来ないのだろうか。 宇宙飛行士は毎朝どのようにして起きているのだろう。朝起きて、太陽というには名ばかりの、暗闇の中の眩しい光を目にしたとき何を考えるのだろうか。私は知らない。 宇宙ゴリラについて考えている。 我々が宇宙ゴリラの存在に気づいたのはいつだったのだろう。明確に記憶している人はいない。 しかし、我々がその存在に気づくずっと前から宇宙ゴリラは宇宙にいたに違いない。 いつから存在していたのかなんて、宇宙ゴリラ自身だって知らないだろう。それは人類や地球の生き物がいつから存在していたかという問いと同じようなものだからだ。
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