短期連載〜消えたハリマヤシューズを探して(1) 老舗の足袋(たび)メーカーがランニングシューズの開発に挑む、池井戸潤の新刊小説『陸王』が話題となっている。『陸王』は現代が舞台の企業小説だが、実は約100年前、小説さながらに、足袋職人がマラソン足袋を開発し、やがてスポーツシューズメーカーへと成長を遂げた実話があったことをご存じだろうか。 1912年(明治45年)、ストックホルムオリンピック。近代国家を目指す日本が初めて代表選手を送り込んだ記念すべき国際大会で、マラソン競技のスタート地点に立ったのが金栗四三(かなぐり しそう)だった。 日本マラソン界の祖とも言われる金栗の足には、「ハリマヤ」の足袋があった。そこに至るまでには、金栗とともに試行錯誤を重ねてマラソン用の足袋を開発したひとりの足袋職人がいた。ハリマヤ足袋店店主、黒坂辛作(くろさか しんさく)。以来、黒坂のハリマヤ足袋を履いたランナー
![キミは幻の和製スポーツシューズ、「ハリマヤ」を知っているか](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/87225738b1bd697963c858b6de3221f4231a319f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsportiva.shueisha.co.jp%2Fclm%2Fothersports%2Frikujo%2F2016%2Fimages%2Fharimaya_DSC04495_600_ichiran.jpg)