世界ランキングで1位になったスーパーコンピューター「富岳」の本格運用が3月に始まる。利用者が驚くのはその使いやすさ。孤高の存在だった先代の「京」から一変した。産業界から「近寄りがたい」といわれてきた国の研究所の意識改革が実を結んだ。 理化学研究所の計算科学研究センター(下)内にある、本格運用を目前に控えたスーパーコンピューター「富岳」(上)。テニスコート10面分以上の広さのフロアに、巨大なコンピューターの棚が432台も並ぶ(写真=理化学研究所) 神戸空港からポートライナーで1駅、5分ほどで到着する「京コンピュータ前駅」。その近くにそびえる理化学研究所(以下、理研)の計算科学研究センターに設置された巨大なコンピューターシステムが本領を発揮する日が迫ってきた。「2021年度中」としていた当初の予定を前倒しして3月9日に本格運用を開始するスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」だ。 テニスコート