電子楽器最大手のローランド(浜松市、東証一部)が上場廃止を目的に始めた経営陣による自社株の買い取り(MBO)期間が14日終了した。取得した株は全体の82・92%。この結果、今秋にも上場廃止となる。米国のファンドの支援を受けてのMBOをめぐっては、ローランド創業者の梯(かけはし)郁太郎氏(84)と会社側が真っ向から対立。「攻防」は最後まで続いた。 株主総会で質疑2時間 「悪辣(あくらつ)な乗っ取りだ」 6月27日午前、JR浜松駅前の百貨店ホール。梯氏の声がマイク越しに響き渡った。ローランドの株主総会での一コマだ。 梯氏は「よりによって米国ファンドとは」と、車いすから立ち上がり、ファンドの介入を批判。対する三木純一社長は「乗っ取り」批判に強く反論した。「これまで現経営陣の排除もない」と答えたが、きしむやり取りは平行線が続いた。 ローランドによると、ファンドと共同したMBOはローランド側が打診。