E-1選手権の最終戦は、開催国の韓国との対戦。日本は引き分け以上で優勝が決まる。日本の先発は中国戦の11人からボランチを橋本から田中碧に変えただけの3-4-2-1。対する韓国は4-3-3のフォーメーション。 韓国のパウロ・ベント監督は日本のビルドアップを研究して来たそうで、ダブルボランチに激しくプレッシャーをかけてボールの出しどころを封殺、日本の攻撃はスピードダウンを余儀なくされ、相手の守備が整った中で仕方なくゆっくりサイドに回してはバックパスと、完全な機能不全に陥った。 そしてボールを奪うと徹底的に日本の3バックの横のスペースに選手を走らせ、長いボールを合わせて来た。日本は常時5バックでセットしているので、サイドで起点を作られた後の中盤で数的不利になり、セカンドボールを拾われて二次攻撃を食らう厳しい展開。 日本は韓国がサイドを攻めている時に、逆サイドのWBが高い位置を取るでもなく、中に絞
「トルシエジャパンのメンバーが、”日本の戦術が失われた15年”を埋めに戻って来た」Jユースカップ 準決勝 FC東京U-18-京都サンガFC U-18 今日はいよいよアジア最終予選の大一番となるサウジ戦だけど、既に展望は昨日のうちに書いてしまったので、録画で試合を見たJユースカップ準決勝について。 常日頃から、日本にはゾーン・ディフェンスの素養が足りないと書き続けているんだけど、もはやJリーグなどのユース世代ではゾーン・ディフェンスが常識になっていて、FC東京U-18と京都サンガU-18の試合も守備時は4-4-2の3ラインディフェンスを取るチーム同士の試合になった。 試合の序盤は京都が圧倒。前線から激しいプレスをかけてボールを奪うと、サイドを中心に選手が次々と飛び出して手数をかけずに攻め切るスピードとパワーのある攻撃で東京を圧倒するのだが、クロスの精度が足らずに中と合わなかったり、迫力はある
ここ2ヶ月ほどは公私共にいろいろ忙しく、夜にサッカーを見る時間を取るだけで精一杯で、Twitterは朝に生存確認用のつぶやきをするだけでほぼ放置状態なのですが、昨日は「我が意を得たり」と思えるコラムがあったので、TLにちょっと流してみました。 「守ってカウンター」がしたいなら。日本代表に2つの“型”が足りない! #numberweb https://t.co/svA17LxYtF @numberwebさんから — こばやしりょーじ (@gazfootballcom) 2016年11月1日 このコラムでは、プレッシングとショートカウンターの型が日本には無いと書かれていますが、もうちょっと具体的に書いてみると「日本には”攻撃的な”ゾーン・ディフェンスの文化が無い」という事になるかと思います。 4-4-2の3ラインゾーンを組んで守るやり方自体は今やJリーグでも特に珍しい戦術ではなく、代表でも第2
日本が勝てばグループリーグ突破が決まるタイとの第2戦は、前半の27分に遠藤の浮き球スルーパスに抜けだした鈴木武蔵がスクリーンしながらのゴラッソゴールで先制すると、後半4分には原川のクロスに矢島が合わせ2点目、そして交代で入った久保がPKを含む2ゴールを決めて日本が4-0と大勝した。 とは言え、決して結果ほど楽な試合ではなかった。日本は初出場の亀川と奈良が不安定、遠藤もミスが多くて、序盤に見せたタイの猛烈なプレスに自陣でロストを連発、先制点を取られてもおかしくないシーンが何度もあったし、後半に亀川が与えたPKを失敗してくれて、それ以降は明らかにタイのモチベーションが落ちて日本は一気に試合が楽になった。どちらかの時間に点を取られていたら、モメンタムがガラッと変わっていたはず。 ただ、初戦からすると日本も多少は良くなっていて、タイが繋いでくるチームというのもあるが、CBで先発した奈良がマイボール
最近、どうもハードディスクレコーダーの調子が悪くて、昨日行われていた高校サッカー選手権の録画ができていなかったので、元旦に放送があった「ハリルホジッチ監督のJAPAN WAY」という番組を見ておりました。 戸田和幸氏がインタビュアーという事でちょっと期待して見たのですが、内容的には縦に早いサッカーとデュエル、ストライカー探しの話ばかりで、ほとんど新味がない内容で正直がっかりしました。 以前から、何故ハリルホジッチに対して誰も戦術の話を振らないのか疑問と不満がありまして、それはハリルホジッチが今までどんな相手に対しても4-2-3-1のフォーメーションで臨んでいる事です。 4-2-3-1は守備時に4-4-2のゾーンになる形が多く、トップ下はFW的にスピードやパワーが要求され、3の左右にいるウイングの選手は、スタミナとクロス能力が要求されます。 ハリルホジッチはインタビューの中でも宇佐美の能力を
天皇杯準決勝のもう1つのカード、ガンバ大阪対サンフレッチェ広島は、意外にも3-0という大差でガンバが決勝へと勝ち上がる結果になった。 まず広島にとって誤算だったのは、シーズン後半は完全に調子を落としていた宇佐美がここに来て突然復活してしまった事だろう。前半7分のゴールも、広島がいつものように5バックで人数がきっちり足りていた状態だったのに千葉の股を通してコースに決められたもので、GK林の反応が早ければと思うが特に何か大きなミスがあったわけではなかった。そして2点目もカウンターからではあったがあのコースに決められたらどうしようもない。 広島の必勝パターンは、前半は引いて守って相手を疲れさせ、後半に浅野らを投入して一気にカウンターから突き放すというものだが、ガンバに先制されていつものプランが狂ってしまった上に、この試合でもドゥグラス(訂正:怪我でベンチ外だった模様)や森崎を控えにするなどある程
元日はいろいろ忙しくて1日遅れになってしまいましたが、皆様新年明けましておめでとうございます。 今年もマイペースでグダグダと試合の文句を書き連ねるつもりでおりますので、何卒よろしくお願い致します。 さて、2016年の新年を飾る天皇杯元日決勝は、ガンバ大阪がパトリックの2ゴールで浦和を突き放し、昨年に続いての天皇杯連覇を決めた。逆に、浦和はこの5年間で5度目の準優勝というシルバーコレクター記録を更新してしまった。 2-1という点差が示すように試合展開は非常に拮抗していて、ガンバが少ないチャンスをきっちり決めたのに対し、浦和は終始ポゼッションで上回りながらも決定力に欠け、李忠成やズラタンがフリーのヘディングを外すなど、肝心なところで決められなかった事が運命を分けたと言えるだろう。 ただ、浦和はガンバに対して攻略の糸口はたくさんあったはずなのに、結局プレイのディテールの甘さや選手起用のミスマッチ
コアなサッカーファンには極めて不評で、しかも事前のマスコミからのアナウンスはほとんど無く、おそらく出場チームの条件やホーム・アンド・アウェーのルールなどが一般ファンには全く理解できていないであろう中で行われたJリーグ・チャンピオンシップ。 しかし蓋を開けてみれば、広島地方で試合後半に35.1%という視聴率を叩き出し、関東でも10.4%と日本シリーズの視聴率に負けない数字を出し、Jリーグ全体でも平均観客数が約3000人増えたことで、一気に賛成意見が盛り返す流れになっていますね。 Jリーグ的にはスポンサー料や放映権料が頭打ちなのに、Jリーグに加盟するクラブ数は増える一方でどんどん分配金が減っていく中、タイトルスポンサーを獲得し、現状はほぼスカパーしか無いテレビ放送で地上波放送が見込めるチャンピオンシップの導入は短期的には不可避だったわけで、今はその是非を問う事自体はナンセンスだと思っています。
「最後まで宇佐美に殉じてしまったガンバのチャンピオンシップ」Jリーグ・チャンピオンシップ第2レグ サンフレッチェ広島-ガンバ大阪 ガンバのホームで行われた第1戦を3-2と広島がリードして迎えた、エディオンスタジアム広島での第2戦。スタメンは、ガンバが第1戦の退場で出場停止になったオ・ジェソクに代わって米倉が入っただけで同じメンバーでの対戦になった。 2点差をつけられなければ良い広島はあまり高い位置からプレスを仕掛けてこず、自陣の低めの位置に5バックのディフェンスを敷いて専守防衛の形を取る。 ガンバの狙いは、第1戦に引き続いて青山とミキッチで、青山に対しては長沢が常にケアをしてパス出しを許さず、ミキッチには対面する右SHの大森がマークを引き付け、その裏を藤春がオーバーラップして攻撃の基点を作り、そこからさらに逆サイドが攻め上がってシュートを狙う意識が徹底されていた。 そのままガンバがペースを
「ミシャはやはり”自分たちのサッカー症候群”から脱却できないのか」Jリーグ・チャンピオンシップ 準決勝 浦和レッズ-ガンバ大阪 いや~、しかしガンバがゴールポストをパスワークに組み込んだ世界最先端の戦術を開発したとは驚いた。 と言いたくなるぐらい、丹羽のバックパスがポストに当たって跳ね返り、それをガンバがカウンターでつなぎ、最後は米倉のクロスに藤春がボレーで合わせての決勝点に至る流れは美しすぎた(笑)。 しかし試合内容はそういうネタ的なオチで決まるのがもったいないぐらいに白熱したものだった。しょっぱなからガンバの阿部がイエローカードをもらうなど、何故それがレギュラーシーズンに出来ないのかというぐらい、序盤から互いにインテンシティの高い、ハリルホジッチ好みのデュエルが至る所で展開されるサッカー。 両チームのフォーメーションはガンバがパトリックの1トップに宇佐美がトップ下の4-2-3-1。対す
今年のJリーグもいよいよ大詰めとなり、優勝・残留争いはもちろんですが、移籍のニュースも出始める季節になりました。 その中で最近驚かされたのが、柏の吉田達磨監督とFC東京のフィッカデンティ監督の退任の噂、そして名古屋の小倉GMの新監督就任という話。そして吉田監督については、昨日正式に退任の発表がされました。 吉田監督については、クラブ側のコメントに「1つはやはり成績。それ以外でいうと、いろんなチームビルドの問題」とある通り、1stステージ14位、年間順位9位という成績が問題視された模様です。 しかし、ACLではベスト8という成績を残していますし、どちらかと言うとマンマーク志向が強かったネルシーニョのサッカーから、世界の先端である4-1-4-1ポゼッションサッカーへのコペルニクス的転回をしつつある事を考えたら、個人的にはよくやっている方なのではないかと思うのですがねえ。 そして新監督には、ブラ
「ハリルホジッチにとってのイラン戦は、アギーレジャパンのブラジル戦になってしまうのか」国際親善試合イラン戦展望 最近、自分用のPCが電源スイッチを100回ぐらい押さないと電源が入らないようになってしまい、秋なのに熱暴走で突然電源が落ちるなどの症状も出て来たので、思い切ってPCを買い換えました(ただしボーナス払い(笑))。 昨日はそのセットアップで忙殺されていたので試合は見られず。なので、今晩に迫った親善試合イラン戦についての展望を。 注目の先発メンバーについては、既にハリルホジッチが会見で「50%を入れ替える」と語っている通り、シリア戦でチャンスが無かった選手が多数出ることが確実視されていて楽しみです。もちろん勝つべき試合ではありますが、ハリルホジッチの内心としては勝敗よりもサブメンバーの経験値獲得がメインでしょう。 思えば、アギーレ監督もブラジル代表にサブメンバー主体で事実上勝敗を放棄し
南アフリカに勝利して一気に全国の注目を集めたラグビー日本代表。スコットランドには負けはしたものの、3戦目となるサモア戦では26-5と点差も内容も圧倒し、日本は決して初戦の勝利がフロックでない強さを証明しました。 今でこそサッカーがメインですが、かつては伏見工業高校や同志社大学、神戸製鋼と平尾選手や大八木選手が活躍していた時代にはラグビーもよく見ていまして、その全盛期である1995年のラグビーW杯でニュージーランド相手に145点も取られる記録的な大敗を喫した記憶がある私にとっては、まさに夢の様な結果だと言っても過言ではありません。 ただ、ラグビーもそうだったのですが、日本が世界に対してまるで歯が立たない試合をしてしまうと、すぐに日本の俊敏性を活かしてフィジカルコンタクトを避けてパスワーク、みたいなトンデモ思考に流れてしまうのですが、結局そんな逃げ道を考えても簡単に対策されて上手くいくはずはな
「ハリルジャパンのマインドセットを創りだした、原口と山口螢の功績」ロシアW杯アジア2次予選 アフガニスタン-日本 シンガポール戦、カンボジア戦とスッキリしない内容と結果が続いていたアジア2次予選。しかし中立地とはいえ実質アウェイのテヘランで行われたアフガニスタン戦は、今までの鬱憤を晴らすような6-0という大量得点を挙げての快勝となった。 もっとも今回対戦したアフガニスタンは、元ハノーファーの育成担当だった監督が率いているとは思えないほどシンガポールやカンボジアに比べて守備組織が構築されておらず、フォーメーション上では4-4-2という形で4バックこそ一応ラインを形作ってはいたが、中盤がほぼマンマークでゾーンを整えるという意識が無く、ボランチが日本の選手に付いて行ったまま4バックの中に入って6バックのようになってしまったりとバイタルのケアがさっぱりで、その割に攻撃時には結構前に出てくれるので日
まあ東スポだからほぼネタなんだろうけど、昨日のTwitterではつい以下の記事に反応してしまいました。 武田修宏氏「真剣にハリルの進退を考えるべき3つの理由」 (東スポWeb) まあ武田氏に進退を問われるようになるとは、随分日本代表監督も軽い存在になったもんだなあと感心しますが(笑)、巷のマスコミやサッカー評論家の意見を見ていても、「細かな指示で選手を縛りつけた。それに監督がナーバス過ぎることも問題じゃない? 選手にも緊張感が伝わって、ピッチでバタバタだったよ。」という部分と良く似た言説を書いている人が多いのには驚かされます。 ここで何度も書いている事ですが、今の欧州クラブサッカーでは、グアルディオラやモウリーニョのように徹底的に戦術をディテールまで突き詰める監督が結果を出しており、ブラジルの監督に多い、選手を選んでフォーメーションを決め、あとは比較的自由にやらせるセレクタ型の監督は、トッ
「トルシエ時代を思わせる懐かしさ、と喜んでいるわけにはいかない」東アジアカップ2015男子 日本-中国 ここまで1分け1敗と未勝利の日本は、最終戦で開催国の中国と対戦。日本は前半の10分に、PA付近でパスを回されて最後はマークがずれたところを蹴りこまれて失点するものの、43分に槙野のスルーパスからオーバーラップした米倉の折り返しを武藤が合わせて同点に追いつき、後半もボールを保持して攻め立てるものの得点ならず、最後は息切れしての引き分けに終わってしまい、今大会を最下位という成績で終えた。 当然ながら、日本代表の出来には不満が残る結果であり、選手をクラブで慣れているポジションで使わなかったり、度々日程面で不満を述べるハリルホジッチ監督には批判が集まっている。が、実はハリルホジッチは今大会についてはしっかりした準備が出来ないのを見越して、あくまでJリーグの選手に対するセレクションの機会として割り
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