横浜市で傾いたマンションの現場責任者が関わった物件が全国最多の23件ある愛知県の大村秀章知事は26日、施工した旭化成建材を「不誠実な対応に深い憤りを覚える」と記者会見で述べた。「速やかな情報提供を求めてきたが、ほとんど得られない。社会的責任を負った名だたる企業のやることか」と批判した。 同社が県内で過去10年間に杭を打った82件の中に、横浜のマンションと同じ杭打ち工法の県発注工事1件が含まれることを県は確認していた。知事は会見で、この1件は2005年度発注の県立常滑高校(常滑市)の実習棟で、2次下請けの同社が杭52本を打っていたと明らかにした。 県の調査では、傾きやひび割れなど不具合はなく、工事関係書類にデータ改ざんの形跡はみられないという。県は施設名の公表を控えていたが、知事は「県有施設はたくさんある。私のところかどうかという県民の不安を払拭(ふっしょく)したい」として公表した。現場責任