家に帰ると、いつも以上にうちの奥さんがにこにこしながら、出迎えてくれた。気のせいだろうか?週末の開放感がそう感じさせるのかもしれない。と思ったけど、やっぱりなんか変だ。あきらかになんだかうれしそう。 ちょっと待ってて、と言いながら、奥さんは奥の部屋に消えた。そして、渡されるなんだか白いスティック状のもの。なんだこれ。体温計みたいだけど、ちょっと違う気がする。 縦に並んだ2本のラインを見て、ようやくボクは奥さんがやたらにこにこしていた理由を理解した。えぇぇ!これって。マジで?とか、似合わないセリフが自然と口から出てきたのには、自分で驚いた。「マジで?」なんて生涯で何回使っただろうか。 実はなかなか思うようにいかなくて、地道に努力を続けるしかないなと覚悟してたから、これはホントに想定外のできごとで、喜びの前に驚きのほうが遥かに大きかった。後からじわじわくる感じ。 とはいえ、全く実感はわかない。