国会議員の政治資金の支出を外部の人間がチェックする「政治資金監査制度」が、今月公開される2009年分の政治資金収支報告書から適用される。だが、監査は支出が適正に記入されているかを調べるだけで、収入は対象外。議員に政治献金した人が監査をする事例もあり、制度の不備を指摘する声も聞かれる。 「監査と呼ぶには違和感があった」。東京都内の30代の男性税理士は、ある国会議員の政治団体の監査をした感想を、こう漏らした。 監査をするのは、総務省の研修を受けて政治資金適正化委員会に登録した税理士や公認会計士、弁護士。領収書や会計帳簿と収支報告書の記載を照合して監査報告書をまとめるのが主な仕事だ。 だが、収入は監査の対象外で、支出の妥当性にも踏み込まない。仮に、政治活動と関係なさそうな支出があっても、それが妥当かどうかは調べない。母親からの巨額の資金を故人からの献金に偽装したとしても、こうした不正は見抜