「民意要らないのか」=死刑判決、5件で破棄-裁判員制度導入10年 2019年05月12日14時37分 大阪・ミナミの通り魔事件が起きた繁華街。音楽プロデューサーだった南野信吾さんは出張で訪れ、巻き込まれた=2012年6月10日 導入から21日で10年を迎える裁判員裁判で、これまでに37件の死刑判決が言い渡された。命をもって罪を償わせる重い判断だが、うち5件を職業裁判官だけで審理する二審が破棄し、無期懲役に。過去の判例との「公平性」を重視するなどした結果とはいえ、関わった元裁判員からは「民意なんか要らないということか」との声も漏れる。 【特集】「更生の現場」を訪ねる~少年法の適用年齢は…~ 大阪地裁で2015年に裁判員を務めた会社員の男性(52)は、関与した死刑判決が大阪高裁で破棄されるのを傍聴席で聞き、耳を疑った。 男性が関わったのは、大阪・ミナミの路上で12年6月、男女2人が刺殺された通