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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/zoot32 (12)

  • 2008-10-05 - 空中キャンプ

    二週間ほど前になりますが、伊集院光のラジオで、彼が、映画『隠し砦の三悪人』を見たという話をしていた。今、BSで黒澤作品を再放送をしているらしく、たまたま見たということなのだが、「これが不動のおもしろさ」「めちゃくちゃおもしろい!」と絶賛しており、興味が湧いたわたしも、同作品*1をあらためて見直してみました。そこで感じたのはなにより、太平と又七というふたりの登場人物、その役割設定のうまさでした。 ちょう有名な映画で、批評もたくさんあるし、今さら、過去にさんざん出尽くしたようなことを書くのは恥ずかしいのですが、見ていたら「なるほどそうか」と唸ってしまうような演出、技法がたくさんあって、いつものクセで、手帳にメモを取りながら見ているうちに、それを発表したい気持ちが抑えきれなくなりましたので、恥をしのんで書きます。よく知られている映画でも、見る機会って意外にないとおもいますので、未見の方も、すでに

    2008-10-05 - 空中キャンプ
    castle
    castle 2008/10/09
    「観客を置き去りにしないぞ作戦:明快である・話の展開がフォローしやすい・伏線は完全に回収される・テンポがよい」「大事なことは二回くりかえして伝える」「全ては太平と又七を経由する/ふたりいるから便利」
  • 『アキレスと亀』を見たゼ! - 空中キャンプ

    新宿にて。北野武新作。前二作である『TAKESHIS’』『監督、ばんざい!』については、見る勇気がわかず、劇場へいくのはスルーしてしまったのですが(未見のまま…)、『ソナチネ』の監督を無視していいのか、という義務感みたいなものがあって、見てきました。主人公の描き方がとてもよくて、見終わった後にずしんと不安な気持ちが残るようないい映画でした。売れない画家が、死ぬまで絵を描きつづけようとするというあらすじ。 表現に取り憑かれてしまった人は、表現以外のことをするという選択肢がほとんどなく、平日は会社員をやって、土日で絵を描くというような器用なことができない。表現と社会性とは相容れない。なぜなら彼が道を歩いていて、にわとりがいたとすれば、にわとりの絵を描きたくなるに決まっているのであって、出社途中だとか、社員としての責任がとか、そういった問題ではなく、今すぐ、ここでにわとりをスケッチしなければ彼は

    castle
    castle 2008/09/21
    「表現と社会性とは相容れない。なぜなら道を歩いていて、にわとりがいたとすれば、出社途中だとか社員としての責任がとかそういった問題ではなく、今すぐここでにわとりをスケッチしなければ彼は生きていかれない」
  • 「リアルのゆくえ」/大塚英志 + 東浩紀 - 空中キャンプ

    castle
    castle 2008/08/30
    「個別の問題同士をひとつにまとめあげる「パブリックなもの」「公的なもの」の意義と重要性を説く大塚と、もはやそうした公的さは期待できない、~大きな全体のイメージや、パブリックな意味づけは難しいとする東」
  • 「ダークナイト」を見たゼ! - 空中キャンプ

    歌舞伎町にて。初日。すごくおもしろかった。「光と影」というテーマが、何層にも重なりあいながらストーリー全体をつらぬき、複雑で広がりのある世界観になっていた。この映画は、見直すたびに発見がありそうな気がするし、いろいろな解釈ができそうにおもえる。バットマンシリーズの最新作。 映画の中で用いられる数々のメタファーが、最終的にはすべて「光と影」という共通のテーマにおいて回収されていくのがすばらしい。Dark Knight(闇の騎士)であるバットマンと、White Knight(光の騎士)である新市長。頻出するコイントスのシークエンス(Heads or Tails?)。すべてを裏で操っているジョーカーの存在は影そのものだ。バットマンとジョーカーの対比もとうぜん、光と影であり、また新市長のかつての古いあだなが ”Two Faces” であった点も見逃せない──これは後半においてもっとも重要なポイント

    castle
    castle 2008/08/11
    「バットマン最新作」「映画の中で用いられる数々のメタファーが、最終的には全て「光と影」という共通のテーマにおいて回収されていくのがすばらしい」「こうした暗喩を無数に散りばめていく手法には唸ってしまう」
  • 2008-07-20 - 「崖の上のポニョ」を見たゼ! - 空中キャンプ

    castle
    castle 2008/07/24
    「「絵が動くことの快感」が凝縮されており」「男の子とポニョの関係が、イコール世界の破滅(もしくは存続)に直結しているというのは、かなり重要な気がしました」
  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20080529

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    castle 2008/05/30
    「そのたびに会話を中断させて「おいっ、脈絡がないぞ」「今、その話って関係なくね?」などといちいち注意をするのも、なんだか鍋奉行みたいなうっとうしさがある。べつにいいじゃないか、会話に脈絡がなくたって」
  • 「女は何を欲望するか?」/内田樹 - 空中キャンプ

    内田樹新刊。テーマはフェミニズム批判である*1。とはいえ、内田は批判に主軸を置いていない。フェミニズム退潮の原因をさぐり、なぜフェミニズムは知的威信を失ったのかを検証し、かつてフェミニズムが達成した文化的成果のうちで良質なものを見直そうというのがこのの目的になっている。内田はこの作業について、「フェミニズムという船は沈みかかっているけれど、だからといって、ここまで運んできた財宝(知的達成)まで一緒に沈めてしまうのはもったいない。だから持ち出せるだけのものは持ち出して、これからも使うのだ」と例えており、「ポジティブな再検討」といっていいとおもう。 旧態依然としたフェミニズム的価値観──これを内田は「私たちは『そういうことばづかい』で何かを説明されることにしだいにうんざりしてくるのだ」と説明している──をふりまわすような人、ステレオタイプなフェミニストを素でやっているような人がほとんどいなく

    castle
    castle 2008/05/19
    「(男性も)加害者であることを義務づけられ」「その起源が知られておらず、それを構築した主体を特定できない制度については、私たちはその制度を改廃したり、異議を申し立てたり、壊乱したりすることはできない」
  • 「問題は、躁なんです」/春日武彦 - 空中キャンプ

    春日武彦新刊(光文社新書)。うつ病とくらべて、注目されることのほとんどない「躁(そう)病」。わたしも躁病のことはあまり知らなかった。おもしろ人間の観察がライフワークとなっている春日が、怖いもの見たさと好奇心まるだしで書いた一冊。春日の解説を通して、躁病の実際を知ることができた。医学的な解説というよりは(春日は精神科医である)、躁病を通して人生のもの悲しさをふと感じさせる、味わいぶかいエッセイのような趣もあり、春日ファンのわたしはたいへん満足でした*1。 春日によれば、うつ病が「心のかぜ」なら、躁病は「心の脱臼」だという。あり得ないぐあいに関節が曲がり、糸の切れた操り人形のような途方もない動きを示す脱臼のような症状。心の箍(たが)が外れ、秘められていたあらゆる欲望が全開となり、自己抑制がゼロになり、見る者に異様な印象を与える。うわっ、なんだこの人は。このに書かれた躁病の症例をひとつひとつ読

    castle
    castle 2008/05/16
    「躁病特有の誇大妄想(俺はなんでもできる!)」「(躁病の人は)危うさを心のどこかに直感し、それを打ち消し振り払うために無理やりテンションを上げているような焦燥」「躁は不安と絶望に裏打ちされている」
  • あいまい言語 - 空中キャンプ

    クロアチア人の友達マリオと、渋谷の駅でぐうぜんに会った。あっ、マリオじゃん。マリオに会うのはひと月ぶりくらいであった。マリオ元気ぃー。そこには、マリオの友達の女性、Lさん(台湾人)も一緒にいて、わたしたち三人は同じ電車にのりこんだ。Lさんと会うのはその日がはじめてだった。おそらく20代半ばといった感じの女性。マリオのシャツの胸元からは、いかにも硬そうな胸毛が勢いよく飛びだしている。あいかわらずすごい生命力だとおもった。ワイルドだねー、マリオは。 電車の中で、15分くらい話す。マリオが京都にいったこと。Lさんが就職活動中であること。帰りぎわに、マリオと携帯のメールアドレスを交換した。いつも共通の友達を介して会っていたので、おたがいの連絡先を知らなかったのである。ついでに、Lさんとも交換した。いちおう、というか、マリオとだけ交換しておいてLさんとしないというのが、雰囲気的にわるいかな、とおもっ

    castle
    castle 2008/04/13
    「おたがいに、日本語というあいまい言語でメールしあっていたわたしとLさんだが、英語にすることで論旨がはっきりするのではないか」
  • 2007-12-23 - 空中キャンプ

    みなさんお元気ですか、空中キャンプを書いている者です。 さて、みなさんの2007年はいかがだったでしょうか。わたしはさほど変化のない、いささか地味な一年でしたが、それはいいことなのかも知れません。よくもなし、わるくもなし。その、プラマイゼロ感が。もちろん、07年が節目になった方もいらっしゃるでしょうから、そうした方はさらに上昇していっていただきたいです。わたしも、来年はちょっとだけしあわせをつかみたい。しあわせは、なにげに手にいれたいね。 さて先日、07年の映画についてのアンケートをおねがいしました。それらをもとに、今年の映画でいちばんおもしろいのはなんだったのか、ふりかえってみたいとおもいます。あらかじめ、みなさんにおねがいしたアンケートは、このようなフォーマットでした。 名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別 2007年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください 2で選

    2007-12-23 - 空中キャンプ
  • 空中キャンプ - スラヴォイ・ジジェクの映画教室

    castle
    castle 2007/10/06
    「さっきの2秒半程の間に起こったのはなんだ」「このシーンがすごくおもしろいのは、どっちかわからない、純粋に判断がつかないということよりも、映画がどちらとも取れるような矛盾したサインを同時に出している」
  • 2007-09-02 - 空中キャンプ

    歌舞伎町にて。いぜんのTVシリーズを基の枠組みとして、映像やストーリーに手をくわえた新作。クオリティが飛躍的に上がっていておどろきました。アニメにどうしてもなじめなかったわたしですが、エヴァンゲリオンだけは夢中になって見ていました。今回の作品もかっこよかった。いくつかのシークエンスには圧倒されました。 今作について、ストーリー上のあらたな謎だとか、TVシリーズとの違いなどについてはよくわからないし、なにしろずいぶん前の作品で、ディテールはほとんど覚えていない。ただし、「2007年にこの作品をリメイクする必然性はどこにあるのか」についてだけはとても気になっていた。庵野秀明という人は、時代の空気を察知するのがうまいとおもう。そこが、彼いちばんの魅力ではないだろうか。わたしにとっては、エヴァは九〇年代をどこまでもリアルに取り込んだ作品だったし、そこがスリリングだった。だから今、エヴァをもう一度

    castle
    castle 2007/09/03
    「リメイクするのであれば、それは今の時代を反映していないと意味がない」「感じたままを正直に書けば、「序」において、そうした時代性については、次回作「破」以降で披露します、と宣言するにとどまっている」
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