トヨタ自動車は現在、国内市場において約60車種のクルマを販売しているが、2020年代半ばまでに半数の約30車種に絞る。販売戦略についても見直しを行い、地域別の販売戦略を担当する新組織を立ち上げるという。 同社の圧倒的な業績は、フルラインアップを基本としたマーケティング戦略に支えられてきたといってよい。トヨタがお手本としたのは、米GM(ゼネラルモーターズ)である。 GMは1920年代、当時、圧倒的なシェアを誇っていたフォード・モーターに対抗するために事業部制を採用。各事業部が利用者層に合わせて独自のブランドを持ち、最適なマーケティングを実施する新しい経営手法を導入した。あらゆるユーザーのニーズをカバーする総合戦略が功を奏し、GMはフォードを抜いて世界最大の自動車メーカーになった。GMの一連の改革は自動車業界における現代マーケティング戦略の基礎となっている。 トヨタは事業部制こそ採用しなかった