lifeと読み物に関するcb_kのブックマーク (5)

  • けんか - 空中キャンプ

    わたしの住んでいる家の向かいに、若い男女同棲していて、元気がありあまっているのか、いつもけんかをしている。けっこう派手にやる。昼夜を問わず、「なによそれ」とか、「ちょうむかつく」という声がよく聞こえてくる。叫んでいるのはたいてい女性で、男性の声はほとんど聞こえない。女性の怒りが静まるまで、おもいのほか時間がかかる。 けんかがはじまると、部屋でを読んだり、映画のDVDを見たりしているわたしも、「おっ、はじまった」という感じでなんとなく気にする。けんかの途中でものが壊れたこともあった。皿やコップが割れるような音が聞こえてくるのだ。なにしろたいへんな剣幕である。ここでもし、なんの関係もないわたしが、「やめなさいけんか」などといいながら彼らの家を訪ねていったりしたらびっくりするだろうな、でもちょっとおもしろいな、などとおもいつつ、そのまま部屋でを読みつづけるのだが、するとしだいに、ふたりのけ

  • 人になんかしたい - 空中キャンプ

    「Kちゃん仕事やめたらしいですよ」と、友だちから教えてもらったのは九月の後半だった。ここしばらく連絡していなかったので、仕事をやめたのは知らなかった。Kちゃんの職場はとても厳しくて、同期はひとりも残っていなかった。調理の仕事で朝が早いからしんどいといっていた。彼女はまじめな子で、専門学校をでてから入社して、四年くらい働いていたとおもう。 「いまはどうしてるの」とわたしが訊くと、「八月いっぱいでやめて、それからずっと探してるっていってました、あたらしい仕事」と友だちはいった。まだ決まっていないみたいだった。職探しはたいへんなことばかりだ。わたし自身、何度か経験があるが、暗い記憶しかない。Kちゃんのことを聞いて、明日すぐに電話しなきゃとおもったけれど、なにを話せばいいのかわからなくて、三日ぐらい時間があいてしまった。 Kちゃんと電話で話してみると、数日前に、つなぎのアルバイトを決めたところだっ

    人になんかしたい - 空中キャンプ
  • 「自分はいやな目にあったからあってるから、同じことを他人にもする - うどんこ天気

    先日題名のような精神の動きが不思議だという話をしていた。ネットで読んだこともあったし実生活で体験したこともあったりするんだが「他人にいやなことを言われたりされて、いやだった(現在も含む)人」が「同じようなことを他人にする」のが不思議だ、という話をダラダラしていた。「私は以前見知らぬ道行く人に何回かでぶでぶ言われて嫌だったけど*1、今になっても、道行く人においこの野郎デブゴン!燃えろ!とかいったことないよ…」「いや普通言わないから!それ変な人だから!」「いやじゃないのかなあ?*2前に、ちょっと失礼だけど、人にブサイクブサイクって言ってる人が服装とかマユゲとかもろもろがスゲー適当というか」「つっこみてぇー客観性のなさ?」「あーでも自分のこと解ってる人でもそういう人がいるというか、んで自分が言われたりして悲しかったりはしてるみたいなんだけども…積極的に判断され判断する!という考え方なのか?という

  • 東京の合唱 - 空中キャンプ

    若い人たちが東京に憧れなくなったのだという。東京に求心力がなくなり、若者は「ジモト」を志向している。いい傾向だとおもう反面、そんな話を聞くと、わたしは自分だけがやけに歳を取ってしまったような気がしてならないのである。わたしは、みっともないくらい東京に憧れていた。 東京へいきたい。高校生のわたしは、それだけを生きるよすがにしていた。かっこいい東京。いや、わたしの東京への憧憬は、「憧れていた」などと過去形で語れるようなしろものではない。わたしはいまだに、東京に憧れているのだ。東京に住んで十九年。もうそろそろ飽きてもいいころだが、わたしの憧れは続いている。 たとえば、上京して十七年目のこと。わたしはついに、かねてからの希望であった、都内のとあるおしゃれタウンに越すことができた。たくさんの若者が集うことで知られる、音楽ファッション文化の街。わたしはついに、おしゃれタウンの住人となったのだ。この

    cb_k
    cb_k 2009/01/21
    何かに憧れるのならこんな憧れ方がいい
  • バターとマーガリン - 空中キャンプ

    いぜん、わたしの働いている会社にヤスダ君という男の子がいた。歳は二十四でまじめな性格だった。誰に対しても愛想がいいので好かれていたし、仕事もていねいにやってくれていたが、ただひとつ欠点があるとすれば、彼はわたしが今まで見たことがないくらいに字がへただった。彼に記入してもらった書類は、なにか見知らぬ言語で書かれた不吉なメッセージのように見えた。 「ヤスダ君、この書類のここ、なんて書いてあるの」とわたしが訊くと、「ええと、これは、なんて書いてあるんでしょう…。わかりません」と彼は答えた。彼自身にすら、判読は不能だったのだ。「ヤスダ君が読めないとなると、これ誰も読めないよ」とわたしがいうと、「ええ、はい。すいません。でも、うまく書けなくて、字が」と彼は弁解した。 これは字のへたな人に共通することなのだが、たいていの場合、字がとても小さい。ひとつひとつの文字が小さすぎて、判読がむずかしい。だからさ

    バターとマーガリン - 空中キャンプ
    cb_k
    cb_k 2008/11/09
    "彼の書く「12」は、体育館のまんなかに誰かが置き忘れた運動靴みたいに見えた。"
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