誤解なきように。私は暴力を絶対肯定しない。だが政権トップの言うことも警察発表も信じられない世界で、若者が命や未来を犠牲にして性急に要求を訴えることを「デモ隊の暴力が問題だ」と一蹴しては、民主主義が未完成の地域で専制に抵抗する手法として、それこそ抗議の自殺しかない、ということになってしまう。香港はすでに戦場になった。この段階に来て、「暴力反対、話し合いを」というセリフは何の説得力も持たないのだ。 もし本気で解決の道を模索するとすれば、先に譲歩すべきは強者のほうだ。国際世論の圧力で、圧倒的強者である中国に譲歩を迫るしかない。せめて、デモ隊が要求する5大訴求のうち、警察に対する外部調査委員会を設置させ警察組織を浄化し、香港の法治を取り戻すことがまず必要だ。このまま“紛争状態”がエスカレートすれば、話し合いどころか解放軍出動の可能性が高まる一方だ。 米国は「香港人権・民主主義法」という立法をもって