銭湯、空き家、商店街から地域、社会、政治に至るまで日本のあらゆる課題の根底に1つ、共通する問題がある。継承だ。次の世代にうまくつなげられないために、銭湯は廃業、空き家は増加、商店街、地域は寂れ、世代間には分断が生じる……。 特にハードルになっているのは、店主の「子どもに継がせたい」「子ども以外には継がせたくない」など家族に継がせたい気持ちが強いこと。銭湯の場合、最近は「継ぎたい」「経営したい」という若い層が増えているものの、たいていの場合は前世代に「他人には任せられない」と拒否されて終わる。 だが、長野県松本市に赤の他人、しかも、銭湯好きでもなかった人が継承し、コロナ禍にあっても着実に客を増やしている銭湯がある。 3時前には地元の人が集まってくる その銭湯は松本駅から歩いて10分、あがたの森通り沿いにある「菊の湯」。近くにはまつもと市民芸術館や松本市美術館などがあり、純然たる住宅地というよ
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