地元民にとって、「町のランドマークは?」と問われれば、飛鳥山と『サンスクエア』、そして「ほりぶん」くらいしか思い浮かばない。区役所もあるが、それはひとまず置いておこう。 そもそも、ほぼ何もなかった土地柄ゆえ、明治以降は軍需工場が多く建てられた。調べたところによると、北区における旧軍用地の比率は国有地・私有地含め約10%! もちろん現在の23区内で最大だった。また、渋沢栄一のお陰もあって、製紙工場やその社宅なども多かった。役目を終えたそれらの跡地は、団地などの住宅や公園、図書館、商業施設へと整備され、現在の王子の街の礎となった。 先述した王子駅前の『サンスクエア』は十条製紙の社宅跡に建てられた日本製紙グループの商業ビルだ。ビルの脇にはひっそり「洋紙発祥之地」という石碑もあって、地味に歴史を感じることができる。 『サンスクエア』には、「東武ストア」やレストラン街のほか、ボウリング場、バッティン