本節では,公立図書館および学校図書館に関わる子どもの情報行動についての研究を,次の6つに分けて概観する。すなわち,1.利用者研究・調査,2.利用者教育と情報リテラシー教育,3.検索ツール・システム,4.図書館ホームページ,5.電子図書館,6.図書館担当者,である。 なお,本研究では「子ども」の範囲を0歳から19歳までとしているが,ここでは,大学生の大学図書館利用に関するものは除外した。 4.1.1. 利用者研究・調査 (1)図書館利用研究と情報利用研究 利用者研究は,1960,70年代に盛んに行われてきた領域で,厳密に言えば,利用者研究・調査(user study / survey)と利用研究・調査(use study / survey)に分けられる。 田村俊作(2001)は「情報利用をめぐる研究」のなかで「図書館利用者調査」と「図書館利用調査」の概念を次のように整理している。「図書館利用