働きすぎないでいる努力 どれほど仕事の責任が大きくても、深刻な病気になるほど頑張ってしまえば、それは本末転倒といえる。生きるために仕事が必要なのであり、生命の危機と引き換えに仕事があるのではない。しかしその加減を実際の労働に反映させるのはなかなか難しい。 それを思い知らされたのが元東京オリンピック水泳選手である木原光知子氏の訃報だった。木原氏は長年にわたって、水泳の普及に努め、多方面で活動してきた。地方での地道な水泳教室から、大企業や著名な歴代オリンピック選手たちを巻き込む大掛かりな水泳イベントまで。メディアへの露出もかかさず水泳界の将来を常に意識した活動だった。 だが、それら華やかな活動のほかに、実は社員を大勢抱えた水泳教室を運営する企業の経営者であったことはどれほど知られているだろう。 振り返ってみれば木原氏は現役としての技術指導と社会貢献と広報活動、そして企業運営までの