本連載では毎回、IT市場で話題の製品やサービス、企業を取り上げ、「ユーザー企業は、ベンダーとチャネルをどう見極めるべきか?」という観点から解説する。第17回目となる今回はSAPジャパンを取り上げる。 筆者は1990年代にSAPのヴァルドルフ本社を訪れたことがある。ドイツ郊外独特の黒い森の中に静かにたたずむ同社の厳かな雰囲気は、グローバルで圧倒的なシェアを誇るERPパッケージベンダーの本社とはとても思えなかった。むしろ、じっくりと時間をかけて基礎研究を行う公的な研究所のようだった。ドイツ特有の手厚いホスピタリティも印象に残っている。 それから20年以上が経過した現在も同社のブランドは減ずることなく、むしろERPのデファクトスタンダードの地位をさらに確実なものにしている。日本市場でも確固とした地位を築き、SMBにおいても十分に競合と伍していけるようになった。そんなSAPの強さの秘訣に迫りたい。
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