心はどこへ消えた? (文春e-book) 作者:東畑 開人文藝春秋Amazon 刺激的なタイトルの本が出版された。私は心理学者や公認心理師ではなく精神科医だが、この本を読み、いろいろ感じ入ったり思い出したりしたことがあったので紹介してみる……つもりだったのだが、いろいろ考えているうちに後半は個人的な思い出話100%になってしまった。とはいえ個人ブログなので、そのグダグダも含めて書き残してみる。 コロナ禍をとおして浮かび上がる、私たちの心 本書『心はどこへ消えた?』は、週刊誌で2020年春から連載された文章を書籍化したものだという。だからか、コロナ禍によって変化した心とその周辺の問題から話が始まる。 たとえばコロナ禍が始まって以来、私たちはオフラインの会議をせずにオンラインミーティングを使うようになった。コロナ禍ゆえの要請として仕方のないことだったけれども、今までの会議を完全に代替しきってい