昭和33年に誕生した日本住宅公団初期の高層住宅「西長堀アパート」。 58年の時を重ねた伝説の集合住宅がついに沈黙を破る! 高層の市街地住宅として、建築家・前川國男が設計した東京の「晴海高層アパート」と同時期に建設され、現存する大阪の「西長堀アパート」。西長堀駅からすぐのモダンなファサードに見覚えのある人も多いはず。 竣工当時の賃料は大卒初任給の1.4倍ともいわれ、司馬遼太郎をはじめ、森光子や野村克也などの著名人が住む高級集合住宅でした。 高さ制限の31mギリギリで建てられた11階建ての高層住宅は、地階・1階に店舗や事務所が並び、低層階には風呂・トイレ共同の単身者向け、6階以上はファミリー向けの住宅が計画されました。 心斎橋からもほど近い都心住宅には、居住者専用のハイヤー乗り場をはじめ、エレベーター、洗面所、水洗トイレ、風呂など、当時の最新鋭設備がそろい、まさに憧れの住まいだったのです。 1