東日本大震災からの復興に向け、本格的な取り組みが始まった。ここからどのような形で立ち直っていくかは、今後の日本経済を左右するほどの意味をもつ。 日本経済は震災前から、急速なグローバル化や人口減少への取り組みが遅れ、さまざまな問題を抱えていた。被災地も高齢化に直面し、農業や漁業は担い手の減少が続いていた。したがって、単に元に戻すだけの復興では問題の克服にはならない。厳しいことではあるが、ここで被災地の再生を新たな成長への突破口にするというくらいの発想で復興に取り組む必要がある。そのための重要なポイントは次の3点である。 ≪被災地を「改革特区」にせよ≫ 第1は、被災地を「改革特区」として、思い切った取り組みを行うことである。まず、東北地方を道州制のモデル地区として、東北全体をひとつに捉えたグランドデザインを描くことが望まれる。津波で失われた街をどこにどういう形で再生し、漁港はどこを拠点にして再