蘇った「7番=お掃除屋」論。 阿部慎之助が若手を成長させる! 鷲田康 = 文 text by Yasushi Washida photograph by Tamon Matsuzono 7番打者の役割とは何か? 一つの答えを見せてくれたのが、日本一に輝いた巨人の7番打者・阿部慎之助捕手ではなかっただろうか。 「例えば僕が、ワンアウトからシングルヒットを打って一塁にランナーで出ても、ベンチは鬱陶しいでしょう」 阿部はいたずらっぽくこう語る。 「足が速いわけでもないし、後は8番、9番。もちろんシチュエーションにもよるんですけど、ベンチが僕にシングルヒットじゃなくて、二塁打を打って欲しいだろうなあってことはよくあります」 確かにそうだ。 阿部が一塁に出ても盗塁があるわけではない。8番打者が送りバントをしても次は9番。7番という打順の難しさはそこにある。セ・リーグトップの長打率