地方の高校生の青春が描かれた『チームオルタナティブの冒険』(2023年11月24日発行:ホーム社/発売:集英社)を刊行された宇野常寛さんに、ご自身の高校生活についてお尋ねしました。 聞き手/構成 編集部 ―― 今回初の小説として『チーム・オルタナティブの冒険』を刊行されましたが、この語り手は、地方の進学校に通う高校二年生の男子ということで、宇野さんご自身の実体験みたいなものが込められているのでしょうか? 宇野 そうですね。僕が自分の人生で一番のターニングポイントになったなと思うのは、どう考えても高校時代です。三年間、函館の私立高校の寮に入っていたんですよ。 僕は今では割とコミュニカティブな人間だと自分でも思うんですが、それって多分寮の体験が大きくて、僕がこういう人間になったのはその三年間の体験のせいだと思うんですよ。 まったく馴染めなかった小中学校 ―― それまでは割と内気なほうだったんで