従軍看護師として日中両国の兵士の命を救った横内芳江さんは、「命の重みに国籍は関係ない」と訴える=東京都葛飾区(植木裕香子撮影) 先の大戦中、従軍看護師として旧満州に渡り、終戦後は中国共産党軍の看護師として徴用された東京都葛飾区南水元に住む横内芳江さん(93)。日本と中国が国交断絶した影響などもあり、約10年間、帰国がかなわなかった。日中国交正常化から今月で45年。両国民の命を救ってきた横内さんは「命の重みはみな同じ。今後も両国の友好関係が続くことを願っている」と訴える。(植木裕香子) 長野県出身で大正13年生まれ。満州事変に日中戦争…と生まれて間もない頃から「戦争」が身近にあった。だが、兵士として戦地に送られ、たたえられるのは男性ばかり。「女性でも軍隊に入ってお国のために役に立ちたい」と、15歳の時に従軍看護師になることを決めた。 看護学校を卒業後の昭和18年に赴任したのは、満州の「琿春(