読者のみなさんは、好きな音楽を聞くとき、どうしている？ パソコンやスマホなどにダウンロードして、あるいはストリーミング再生してイヤホンで聞く？　CDを購入して、プレーヤーで聞く？　まさかレコード？ 「それって何？」と突っ込まれるだけかもしれない。かつて音楽はレコードで聞くものだったが、いつのまにかデジタルで聞くのが常識になった。 そんな中、2021年7月28日、次のようなツイートが投稿され、話題となっている。 長崎県西海市の山奥にある廃校を利用した音浴博物館です。約16万枚のレコードが所蔵されていて、全て自由に聴くことができます。音楽にひたすら没頭できる空間でオススメですよ。 pic.twitter.com/ISHkJuPIEY — Y氏は暇人 (@y_ta_net) July 28, 2021 写真はその「音浴博物館」の様子らしい。所狭しとレコードが収納されており、そのすべてを「自由に聴

「白天聴老鄧、晩上聴小鄧」とは１９８０年代のいわば中国式ジョーク。昼間は鄧じいさんの言うことを聞くが、夜にはかわいい鄧を聴く。老鄧とは最高実力者の鄧小平、小鄧は歌手の鄧麗君。台湾出身のテレサ・テンさ…

芥川賞に選ばれ、記念撮影に応じる李琴峰さん＝東京都千代田区で2021年7月14日午後7時6分、関雄輔撮影 名前は大事だ。日本語では「名は体を表す」という諺（ことわざ）があるし、『論語』にも「名正しからざれば則（すなわ）ち言順（げんしたが）わず」という言葉がある。 作家にとって、ペンネームというのは表向きの顔だ。出生時に与えられた本名よりも、自分でつけたペンネームの方が、作家の作風や真価をよく表出できると思う。 群像新人文学賞に応募した時は、初めて日本語で書いた小説だからどうせ受賞できないだろうと思って、適当に日本人風のペンネームをつけた。それが奇跡的に優秀作に選ばれ、作家デビューとなった。そこで、担当編集者から「台湾の方だと分かるようなペンネームにしては」と相談された。そもそも日本人風のペンネームにしたのは、台湾人という身分を強調したくなかったからなのだが、しかし日台を横断し、往復するよう

原題は「地厚天高」。昨日香港インディペンデント映画祭にて。香港民主化運動のさまざまな局面で叫ばれた「復光香港、時代革命」のスローガンの起草者であり、政治団体「本土民主戦線」の顔の一人として英雄視された若手運動家エドワード・レオン（梁天琦）。香港大学で学んだ秀才でありながらニートになり鬱に苦しんだ時期を経て、民主化運動に触発され2016年の立法会選挙に出馬、大きな期待を集めるものの政府の介入で立候補できなくなった彼は、代わりの立候補者を応援し当選に導くが、騒乱罪などで起訴され一時期アメリカに亡命する。。と、年数にすれば短い期間ながら人生が180度変わった激動の個人史を時系列でなく時間軸を前後させながらつむいだ密着ドキュメンタリー。17年の作品なのでそのあとどうなったのだろうと心配しつつ映画を見ていましたが、18年に香港へ戻って６年の禁固刑が確定し服役中と最後にわかり、痛ましさも倍増。彼ひとり

映画 ラストマイルについて ネタバレ含みます … … … … … … … … … … 仕掛けられていた爆弾の最後のひとつについてです。 まず、爆弾は予告通り12個仕掛けられていて、そのうちのひとつは不良品で上手く作動しない可能性が高かったというところまでは分かりました(←間違ってたら指摘してください…)。 その不良品は、エレナは「筧まりかが自殺する時に使った」と言っていました。私はそこが少し引っかかっています。 不良品の爆弾は、既に配達済みだった母子家庭の荷物の方だったんじゃないかと思ったんです。理由は、爆発するまでに衝撃が2、3回ほど加わっており、そのどれもに薬剤が混ざる表現があったからです。爆弾は軽い衝撃で爆発するということが警察の捜査で分かっています。 配達員が荷物を落とした時は、落とした瞬間の衝撃で簡単に爆弾が爆発しました。母子家庭の元に爆弾入りの荷物が届いていたとわかった時、観て