3日午前7時10分頃、福井県坂井市三国町安島沖の日本海を航行中の貨物船から「小型船が漂流している」と118番通報があった。 敦賀海上保安部の巡視船が約5時間後に小型船を見つけ、同県敦賀市桜町の岸壁まで運んだ。 同海保の調べでは、漁船登録番号などから、宮城県気仙沼市の漁業村上千代志さん(56)所有の漁船「千代丸」(全長5・6メートル)で、2011年3月の東日本大震災の津波で流出していたことがわかった。今年6月下旬、沖縄県石垣市の尖閣諸島北方沖で、第11管区海上保安本部が見つけたが、悪天候で回収できなかった。 千代丸は親潮などに乗って太平洋側を南下した後、日本海を北上する対馬海流に乗り、計4000~5000キロを漂流したとみられる。村上さんは「2年以上も漂って、よく見つかったものだ。使える状態であれば引き取りたいが、輸送費がいくらかかるか心配だ」と話しているという。