日本経団連はこのほど、東京・大手町の経団連会館でデフタ・パートナーズ・グループの会長で財務省参与である原丈人氏を招いて第7回昼食講演会を開催し、181名の参加を得て、「21世紀の国富論−日本から新たな産業、価値観、資本主義を世界に発信せよ」と題した講演を聞いた。講演概要は次のとおり。 ■ 新産業創生と公益資本主義 現在日本を覆う経済の停滞を取り除くためには、2つの分野でわが国の産業人が果敢に挑戦するしか方法はない。1つ目は、コンピューターITの次の基幹産業を興すこと、もうひとつは新興発展途上国への進出を欧米中国とは違ったかたちで行うことだ。そして、これらの挑戦を可能にするのは公益資本主義など、イノベーションを支える新しい資本主義の思想である。 私は1985年から、米国シリコンバレーを中心に、情報通信分野の革新的な技術を生み出す可能性を持つ企業家を育ててきた。最近では、「フォーティネット」と