地元では“山陰のピカソ”として警察学校に招かれるほど有名だった野々村監督。今回、不本意な形で一躍全国区に 「お前たちには誠がない。切腹しろ!」。かつて明大野球部の名物監督、故島岡吉郎氏はミスや緩慢なプレーが原因で負けるとそれこそ怒髪天をついた。素人監督だったが、大学選手権で5度も優勝させた熱血漢。選手は怒られるたびに震え上がったが、苦労した控え部員から先に就職の世話をするなど人情も厚く“御大”と慕われた。 そんな昔話を思いだしたのは、甲子園のセンバツ1回戦で敗れた開星(島根)・野々村直通監督(58)の「切腹」発言だ。21世紀枠の向陽(和歌山)との試合後、こういった。「きょうは日本中に恥をかいた。21世紀枠出場校に負けるのは末代までの恥。死にたい。腹を切りたい」 同校の美術教諭というこの監督は“山陰のピカソ”と呼ばれ、部の卒業生1人1人に似顔絵を贈っているという。“御大”同様、選手にも慕