大阪大学大学院医学系研究科の研究室による不正支出問題で、大阪大の調査委員会は20日、文部科学省などから受けた過去2年間の研究費のうち、約1730万円が不正支出だったと発表した。カラ出張の旅費や研究員に給与を戻させた金を研究室の口座にため込み、物品納入業者に架空発注を繰り返していた。元教授がタクシー代や家族の海外旅費など私的に流用した疑いがある。大阪大は、少なくとも過去6年分までさかのぼって調査し処分する。 不正支出があったのは森本兼曩(かねひさ)元教授(64)の研究室。森本元教授は今年3月に定年退職し、現在は特任教授。 調査委は通報を受けて今年6月から調査。2008、09年度の文科省や大阪府などから受けた研究費を調べた。カラ出張約290万円、業者との架空取引約1300万円などの総額1731万円を不正と認めた。 カラ出張では、元教授1人が行った出張を複数の研究員が同行したことにしてその