イラクのサリフ大統領(右)と会談する教皇フランシスコ(バグダッド) Vatican Media-Handout-REUTERS <教皇はイラクのキリスト教徒に希望を与えるために、あえて危険な旅に出たのだ> 3月初め、ローマ教皇フランシスコはカトリック教会トップとして初めてイラクを訪問した。訪問先には2014年に「イスラム国」(IS)が制圧し17年にイラク政府が奪還した第2の都市モスルも含まれており、朝日新聞はローマ特派員名で「今回、教皇がモスルを訪問したことは、イラク政府にとって治安の改善を強く印象づける成果となりそうだ」と報じた。 しかしこれは全くの見当違いだ。 朝日新聞は同記事で「(イラク政府は17年に)イラク全土からISを掃討したと発表した」と記しているが、「掃討」されたはずの「イスラム国」勢力はイラクだけでなく世界各地に残存し、その活動は活発化している。米国務省は3月10日、「モザ