宮台真司学生がレンタルしいまもレンタルし続けているらしいことでも知られる(http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20070712)丸山真男の名著『日本の思想』ですが、これを再読していると、次のようなくだりがあった。 共通の基盤がない論争最近御承知のように、昭和史というような問題をめぐって、文学者と社会科学者、あるいは歴史学者との間にいろいろな論争が行われた。それを見てますと、たとえばこの本には歴史が書けてるとか書けてないとかいって論争されている。歴史が書けてるとか、書けてないということの意味ですね、そのことの意味について文学者が理解していることと、社会科学者が理解していることとが非常にくい違っているのであります。歴史が書けているというそのこと自体の意味について一致した了解がないわけですから、それは実はなかなか共通の基盤に立った論争にならない。表面はともかく、腹