私は たぶん、今目覚めた。 ここはどこだろう。私は何をしているのかな。 私は生暖かい液体に浸っている。 眼を閉じているのか、それとも開けているのか――わからない。けれど、辺りは暗くて、とても静かだった。私は少し身体を丸める。私を浸す液体が揺れて、ぽつりと垂れる。 声が聞こえる、悲鳴のような。 何を怒っているんだろう、或いは、悲しんでるようにも聞こえる。 私の気持ちは、とても安らかだった。 少し寒い。 私は 目覚めているんだろうか。 「ギャアアアアアア・・・!」 「ギャアアアアアア・・・!」と断末魔を叫びきったきり、そのまま男は絶命した。床に死体がごろり、と転がる。その全身は傷だらけだった。傷はどれも広く、深い。ついさっきまで体内をぐるぐる流れていた血が、ありとあらゆる傷口から、ぶくぶく泡を立てて吹きこぼれている。ぼくの目の前でひとつの命が今、消えた。 ひとつの命を消した少女が、その傍らに立
![2008-01-17](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/06a15c64ba0ceec233d86d71001ebb29a9dcbf5d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.blog.st-hatena.com%2Fimages%2Ftheme%2Fog-image-1500.png)