藤井は今期の王座戦、挑戦者になるまでの過程でも“衝撃の逆転劇”を見せている。挑戦者決定トーナメント準々決勝の村田顕弘六段戦である。 この対局で序盤から冴えた将棋を見せたのは、むしろ村田六段だった。「村田システム」と呼ばれる独創的な戦型に、銀を中段に進める工夫を凝らした「シン・村田システム」を披露。これによって序盤からリードを奪い、中・終盤でも見事な指し回しを見せて勝利が間近に迫った。 しかし、藤井が局面を複雑化したことで村田は長考し、持ち時間は徐々に減っていく。そして藤井が最終盤に「6四銀」という勝負手を放った。この一手が持ち時間がわずかになっていた村田の動揺を誘う。気づけば村田から見て「94%−6%」だった評価値が一気に「4%−96%」に。この逆転劇が藤井の八冠ロードを切り拓くターニングポイントとなった。 「用意した作戦がうまくいって、中盤以降も自分の形勢判断通りに指せていた。ただ優勢な
![藤井聡太と“神の一手”「評価値6%→96%の大逆転」「36分の一手=AIで1時間超解析して“ほぼ最善”」タイトル経験・対戦棋士が脱帽の理由(NumberWeb編集部)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/50a86bd69c9512ec6c4ca5d15bb24f488d3354f3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F5%2F0%2F-%2Fimg_50413bc93205a8942cf4d943eb1303f065794.jpg)