SOFR(担保付翌日物調達金利)入門 -米国のリスク・フリー・レートおよび米国レポ市場について- 東京大学 公共政策大学院 服部 孝洋*1 1.はじめに これまで「金利指標改革入門」(服部, 2021a)や「リスク・フリー・レート入門」(服部, 2021b)でLIBOR改革や我が国で採用されたLIBORの代替金利について説明してきました。本稿では、米国で採用されたLIBORの代替となる金利指標である担保付翌日物調達金利(Secured Overnight Financing Rate, SOFR)に焦点をあてます。SOFR(「ソーファー」あるいは「ソフラ」と読みます)の最大の特徴はレポに基づく金利である点です。その意味で、SOFRを理解するためには米国のレポ市場を理解する必要があるともいえます。もっとも、米国のレポ市場は複雑であり理解が困難であるとされています。そこで、本稿ではまずはSOF