最近、ある工場を見学に行った。ここでは仮にX社と呼ぼう。中堅の機械メーカーで、精密な加工技術を要する製品(というか、より大きな機械に組み合わせて使うモジュール的部品)を作っている。顧客の個別仕様要求が多く、生産形態としては受注設計生産に属する。 組立工程の現場のチーフ格の人から、話を聞いた。ここの現場では、一種の「デジタル屋台」というべき方式を採用している。ちょうどラーメンの屋台のように、一人に一台の作業用のラックが与えられ、目の前の端末には組立工程の作業指示が1ステップずつ、3D的図面に表示される。 X社が作っているのは小さな製品で、組立にはネジ止めを多用する。ネジ止め作業では屋台(ラック)に付属する電動ドライバーから、トルクなどの情報を自動的に取って、作業を自動的にチェックし、ミスを防止している。他企業でも見たことがあるが、優れたやり方だ。 ラックのサイドに部品入れの抽斗が並んでいて、