神宮球場の一塁側・内野席で日本シリーズ第2戦を見つめていた相原正美(元岩出山野球部監督)は、教え子である今野龍太の出番を待っていた。「8回に登板しそうだ」。席がちょうどブルペンの前だったため、慌ただしく準備するヤクルト中継ぎ陣の様子がよく見えるのだ。 恩師を招待した日本シリーズで… 4番手でマウンドに向かう今野に心の中でエールを送ると、祈るような気持ちで戦況を見守った。3点ビハインドの8回表から9回表。今野は回またぎで打者6人を無安打無失点無四死球と完ぺきに抑えて仕事を果たした。この流れに乗ってか、ヤクルトは9回裏の土壇場で内山壮真に同点3ランが出て、試合は延長12回3-3でゲームセット。5回から投手7人を繋いだ継投策。相原監督はその一翼を担った今野に感動していた。今野が相原のためにと用意してくれた「特等席」で。 「神宮で本人を見たのは今日が2回目。今野の好投を見られたのも良かったですが、