時間は一方向のみに流れる…これは現代物理学の鉄板教義の1つであり、過去は未来に影響するが、その逆はないことを意味している。 しかし、最新の実験では、量子レベルではこれが当てはまらないようであり、可能と不可能の境界が大きく揺らぐ成果が得られた。研究者が実証したのは、未来の出来事が過去の事象に影響を与えている可能性である。すなわち、時間は前以外にも、後ろにも流れているかもしれないということだ。 研究で取り上げらたのは、量子力学における粒子の奇妙な振る舞いである。量子の世界では、移動する物体は、粒子と波動という2つの状態を同時にとることが可能だ。これは、光子や高速で移動する原子を観測しようとすると、粒子か波いずれかの性質を示すことから言える。 今回の実験で発見されたのは、原子を観測しようとした後に起きた出来事が、波動の状態となるか、それとも粒子の状態となるかを決定しているようであることだ。 研究