日本人はマグロが大好きだ。しかし、かつてはそうではなかった。江戸料理・文化研究家の車浮代さんは「江戸っ子に人気があったのはタイやカツオで、マグロは下魚の中でも最下級の魚だった。とりわけマグロのトロは不人気で、江戸時代はもちろん、昭和初期までタダ同然で取引されていた」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、車浮代『江戸っ子の食養生』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。 ■1日に1億円が動いた江戸の魚河岸 江戸っ子は、魚をとにかくよく食べました。体の基盤になるたんぱく質は魚介類からとり、活力を養っていました。江戸っ子の魚好きを支えたのが、現在の東京日本橋あたりに開かれていた「魚河岸」です。その様子は、『東都名所日本橋真景并ニ魚市全図(しんけいならびにういちぜんず)』という浮世絵に表されています。 日本橋川には荷物を積んだ船が何艘も行き交い、慶長8(1603)年につ
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