40歳の日本人が、聖地で観衆の心を掴んだ。 彼女はなぜ、芝の女王と互角に渡り合えたのか。 年輪を重ねて辿り着いたテニスとの幸福な関係。 あとほんの少しだった。6月下旬、ウィンブルドンのセンターコートで行なわれた2回戦のクルム伊達公子(40)対ヴィーナス・ウィリアムズ(31=米国)。大会最年長の伊達は、大会5度の優勝を誇るヴィーナスを最終セットの第14ゲームまで追い詰め惜敗したものの、技対力の2時間56分の激闘は、世界中のテニスファンを熱くさせた。 伊達を「テニスの貴婦人」と形容した英インディペンデント紙は、「あと一歩で時計の針を巻き 戻すところだった」と称えるなど、海外メディアも奮闘を賞賛した。 ――2日間にわたって死闘を演じた’96年のシュテフィ・グラフ戦を髣髴させる、息をのむような闘いでした。 「負けたにもかかわらず、帰国してからも多くの人たちに声をかけていただき、嬉しかったですね。自
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