資格取得は始まりにすぎない。「どう使うか」という視点が重要だ。前提とすべき発想は、「この資格なら年収いくら」ではなく、「この資格でどこまで稼げるか」なのだ。 輸出の不振で、電機・製造業などで大規模な社員の整理解雇が噂されている。肩叩きにあった当人は「なぜオレなんだ」と文句を言いたくなるだろうが、あなたは会社の業務に貢献する努力をしてきただろうか。会社に「ぶら下がる」だけではなかったか。 いま資格講座が盛況だという。だが、仮に難関資格を取得したところで、資格を持っているだけの「ぶら下がり族」を企業は引き止めない。価値があるのは、資格を利益に変えられる人材だけだ。 「資格があるからという理由ではないでしょうが、会社が配置転換を進めるうえで判断材料にはなったと思います」 榎並太平●1977年生まれ。2005年東京大学大学院理学系研究科博士課程満期取得退学。同年、アクサ生命保険に入社。08年8月C