未来を予測することのみが職責 いくら優れているからといっても、歴史も体制も人口も違う外国の事例を、日本がそのまま真似をすればいいとは思わない。しかし、これだけはすぐにでも真似すべきだと強く思うものがある。それはシンガポール政府の「Future Group」だ。 「Future Group」とは、朝から晩まで四六時中、あらゆるシナリオを用意し、国の未来を考えることに没頭している特殊な部署だ。それが各省庁に配置されていて、首相府にはそれらに横串を刺す組織もある。 近々、そのメンバーが来日する。現在、政府間で調整をしているところだが、官僚では設定できないアポイントを私に依頼してきたので、私の大事な友人たちを紹介することにした。 自国の未来を徹底して悲観視する 彼らとの出会いは昨年の初夏にさかのぼる。ある日、友人の欧州系巨大PEファンドトップの紹介で一本のメールが送られてきた。ざっと次のような内容