二重のタコツボ化 パソコンやインターネットが普及しはじめた頃、世の中ではバラ色の未来が語られたものだった。 どこで暮らし、仕事をしていても世界中の情報がとれ、世界中に発信することができるようになる。ペーパーレスの社会が生まれる。ITが世界を変えていく……。 その中のある部分は実現され、またある部分はそうはならなかった。ペーパーレスどころか、プリントされる紙の枚数が増えたことは誰もが実感していることだろう。 他方でメールの普及は連絡を容易にしたことは確かだったし、情報検索や発信も私たちの社会に定着した。 だがそれらは、手放しで肯定できるものではなかった。 ワープロ機能は漢字を読めても書けない人をふやしたし、簡単に送信できるために安易なメールがふえ、いまではメールの整理に大きく時間をとられるようになってしまった。何かの進歩は何かを後退させ、便利さは新しい不便ももたらすのである。 発信も期待通り
![インターネットが生んだ「扇動」に乗りやすい社会の末路(内山 節) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/11bfbac044949ba941eb9d030856d857c9bd5fa6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F1%2F8%2F1200m%2Fimg_182acb994338f7fe644ab0907f3bf514190149.jpg)